【旅:奥入瀬渓流@】






7月下旬。長かった梅雨がようやく開けようとする中、以前から一度訪てみたいと思っていた「奥入瀬渓流」を訪ねた。

2泊3日の旅。

【初日】

朝9時過ぎに青森空港に降り立ち、タクシーで八甲田山を越え、予約していたホテルへと向かう。

昼食を済ませ、まずは近場の散策へ。

初めて知ったのだが、この渓流の源は十和田湖なのだそうだ。

ホテルは渓流の下流にあり、「石ヶ戸(いしげど)」というところまでゆっくりと遡った。

霧か雨かの区別がつかないミストを感じつつ、車道脇から、遊歩道へと入る。

割とゆったりとした木立の中の道は、長年の枯れ葉が堆積したのだろう、足を運ぶたびふわふわと押し返してきて、心地よい。
道の両脇のところどころには、苔むした倒木や岩が木々の緑に溶け込んで、静かに息をしながら佇んでいる。

しばらくすると「さらさら」という水音が近くなり、幅15m〜20mほどの流れが現れた。
この辺りは「とろ場」なのか、流れはいたって穏やかだ。
事前に見た写真とはすこし趣が異なる。



緩やかなカーブをいくつか経ると、水音が変わり、小さな瀬が目に入ってくる。
川中には、こんもりとした小島があり、木賊の姿も見てとれる。
生花の素材や京都の町屋の軒先で見たことはあるが、自生するそれを目にするのは初めてだ。

遡るにつれ、瀬も次第に大きくなり、白い水しぶきが苔むす岩や木々の緑に映え、いっそうの清々しさを感じさせる。
やはり渓流の魅力は、この瀬の美しさと水音に尽きる。



持参した折りたたみの三脚椅子に腰掛け、しばし流れに耳を傾ける。
右の瀬・中の瀬・左の瀬。
それぞれに流れ越える姿やスピードが異なり、一見単調に思える水音も、複雑に絡まりあって、深みを感じさせる。

さまざまに姿を変える流れを右手に見ながら進んでゆくと、
一枚岩の巨石が桂の木に倒れ込み、その下に人ひとりが入れるほどの空間ができている。
これが「石ケ戸」だ。
この地方では、小屋のことを“ゲド“というらしく、石の小屋ということで、
「石ケ戸」と名づけられたらしい。




ここまで距離にして、5Km。ゆっくり歩いて約1時間半の行程。

近くまでホテルのバスが迎えに来てくれており、それに乗せてもらって、ホテルへと帰還した。



Copyright © つれづれなるままに All Rights Reserved.